FC2ブログ
足利事件に見る冤罪の構図・・・奪われた人生
 身の覚えのない罪で突然に逮捕拘禁され、連日、厳しい取調べを受けることがどんなに辛く悲しいことでしょう。
 足利事件の犯人として逮捕され無期懲役の判決を受け、17年半もの長期にわたって拘禁されていた菅家利和さんが「無実間違いなし」として釈放されました。
 父親は、息子が逮捕されたことがショックで死去、母親も2年前に息子の無罪判決を聞くことなく亡くなったそうです。
 余りにも悲しい冤罪事件です。
 菅家さんが真犯人とされた証拠は、「被害者の女の子の衣服に付着していた体液のDNAが菅家さんのものと一致した」というものですが、当時のDNA判定は、800分の1、つまり、8000人居れば10人が該当するという極めて信用性の低いものでありました。
 菅家さんの話によると、連日、「お前がやったんだ。早く自白して楽になれ・・・」とか髪を引っ張ったり足蹴りをしたりと、強圧的かつ暴力的だったそうで、「認めれば楽になる・・・」と思って「自白した」のだそうです。

 この事件については、弁護団が早くからDNA鑑定のやり直しを求めていましたが、裁判所は三度にわたって却下していました。
 もし、裁判所がDNA鑑定を認めていたなら2000年には「無罪」が証明され、少なくとも10年近くの人生は失わずに済んだはずですし母親ももっと長生きしておられたかもしれません。

 我が国には、「疑わしきは被告人の利益に」、「推定無罪」という大原則がありますが、このような冤罪を惹き起こす警察の取調べは、明らかに「推定有罪」、「疑わしきは被告人の不利益に」という全く逆の発想があるようです。

 石川一雄さんが逮捕され無期懲役で服役、現在仮釈放中で再審請求を続けている狭山事件も、重要参考人が自殺した為に「生きた犯人を捕まえなければならない」という警察が「面子」の為にでっち上げた事件だと言われています。
 そこには「犯人に仕立て上げる」という全く不正義な考えがあるのです。

 新聞によると、菅家さんを取り調べた元警察官や警察署長のインタビューで、警察署長は「適切な捜査をした」と言い、警察官は「当時の事は思い出したくない・・・」と答えています。

 普通の人間が「思い出したくないこと」と言う場合には、自分にとって「嫌な思い出」、「自分が失敗したこと」、「罪を犯したこと」など、自分とって不都合なことであります。
 ということは、この警察官は、「やましいこと」をしたという自覚があるということでしょう。

 菅家さんは、警察にも検察にも裁判所にも謝罪して欲しいと言っておられます。
 どんなに謝罪しても失われた人生は戻ってはきません。
しかし、冤罪の被害者に対するせめてもの償いとして非は非として認め謝罪すべきではないでしょうか。

 勿論、経済的補償は「国家賠償」ということにはなりますが金で済む問題ではありません。
スポンサーサイト



【2009/06/05 09:54】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(2)
<<温泉施設などで160万円余着服した職員に対する甘い処分・・・芦北町 | ホーム | このレベルが標準的・・・田辺市議会>>
コメント
只々驚くばかりの結末です。
逮捕され服役していた17年間、菅家さんの無実の罪を背負いながらの日々を察するに、言葉では表せない無念さが込み上げてまいります。なぜ、どうして…と自問自答しながらの日々は時間に換算すると620066日~148800時間になります。
この時間の償いは経済的な保証だけでは済まされないのではないでしょうか?

また、被害者・真実ちゃんのご家族にとりましても司法への憤りや、この先新犯人特定までの間、不安と疑問の日々が来るのかと思うと複雑な思いに駆られます。

警察側の責任逃れ的な逃げ腰の姿勢には只々呆れるばかりですが、しっかりはっきり釈明して戴きたいものです。
【2009/06/06 17:14】 URL | 妙昌 #-[ 編集]
警察は、「犯人」を挙げさえすれば善いと思っているのでしょう。
この事件は、少なくとも2000年には冤罪事件として無罪放免になっていなければならなかった事件です。
 裁判官も検察官も、正義感のないのが多いということでしょう。
【2009/06/06 20:06】 URL | 藤井慶峰(ふじい けいほう) #-[ 編集]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://keihoh.blog58.fc2.com/tb.php/725-83d5e7d1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


藤井慶峰の日々を綴るブログです。法泉寺のHPへ

プロフィール

藤井慶峰(ふじい けいほう)

Author:藤井慶峰(ふじい けいほう)
1954(昭和29)年5月、宇土市生まれ。
 ペットは愛犬レオとルナ(10年前に捨てられていた雑種犬ですが気が利く我が家の番犬です。レオはオスで門番をしています。お参りの人や用があって来た人は笑顔で迎えますが、怪しい人には吠えます。但し、夜は見知らぬ人には吠えますのでご注意。(噛みはしません)八幡大学第2部法律学科卒業、法泉寺26世住職 大本山総持寺布教師 曹洞宗九州管区教化センター布教師 九州四十九院薬師霊場会理事 熊本市人権啓発推進総室講師 保護司 熊本刑務所教誨師 平成義塾熊本前塾長 ハンセン病市民学会宗教部会世話人 人権啓発映画「新あつい壁」製作上映実行委員会事務局世話人  環境ネットワーク熊本会員 宇土の文化を考える市民の会世話人 不知火竜馬会会員 自殺防止ネットワーク風熊本相談所 
 宇土市議会議員(3期目)

(好きな言葉)希望は高く頭は低く   実るほど頭の下がる稲穂かな    身を削り 人に尽くさん すりこぎの その味知れる 人ぞ尊し
(尊敬する人)お釈迦様  マハトマ・ガンジー  横井小楠  坂本竜馬  吉田松陰 田中正造 西郷隆盛 小松帯刀 天璋院篤姫
(著書)美しい地球と未来を子供たちに ㈱ぱんたか刊 1300円 この本を送料・税込み1000円で差し上げます。

過去ログ

最近の記事

カテゴリー

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

QRコード

QRコード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる