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仏説父母恩重経を読む
 昨日は、金沢市在住のご家族とご親戚がお父さんの一周忌のご供養に来られました。
お父さんは、浄土真宗の御門徒さんだったさうですが、拙寺との縁がありまして、この法事の打ち合わせにも度々来山されました。
 私は、施主からみて供養を受けられる方が親か祖父母、ご先祖様の場合には、表題の「仏説父母恩重経」のお経本を配布して一緒に読んでいただくことにしております。
 若し、私が在家で、法事を頼む立場だとしたら何を読んでいるのか訳の解らないお経を聴かされて正座をしてじっと座っていなければならないとしたら・・・とても苦痛だろうと思ったことがあります。
 逆に、一緒に読むことによって意味が解り、読経の功徳を受けることができれば素晴らしいことだと思います。
 本堂には、椅子も用意しておりますので正座の必要はありません。
 このお経は、親子として生まれてくることはどういうことか、親の十恩についても書かれています。また、親が親としてどうあるべきか、子が子として親に対してどうあるべきか、ということを解りやすく書いてあります。しかも、訓読でふりがな付ですから小学校低学年の子供さんも読めます。
 約30分のお経ですが、このお経を読んでいると、日頃は、強面のお父さんも、息子さんも、しばしば涙を流されます。勿論、女性も同様です。
 お経が終わって、ご焼香ですが、この間は、追善供養のご和讃をお唱えします。
ご回向が済んだら、短い法話をします。
 この間、約45分程度です。
 このお経の長さについては、それぞれ尺度が違いますが、大切なことは、施主ご家族が「法事をして本当に良かった」と納得していただくことが大切だと思うのです。
 多くの場合、法事の席で、この父母恩重経を一緒に読まれた方々は、爽やかな表情を見せてくださいます。
 「父母もその父母も 我なりき 我を愛せよ 我を敬せよ」 二宮尊徳翁の歌です。

(父母の十恩)
①壊胎守護の恩 十月十日、お腹の中で血を分け肉を分かちて育ててくれる恩
②臨生受苦の恩 赤ちゃんが生まれてくる時激しい苦痛を受ける恩
③生子忘優の恩 赤ちゃんの産声を聞いた途端にその苦しみが喜びに変わる恩
④乳哺養育の恩 おっぱいを飲ませて育ててくれる恩
⑤回乾就湿の恩 しっこで濡れたところは気持ち悪いから乾いた処に子供を寝せて自分は気持ちが            悪いのを我慢して濡れた処に寝る。子供をつねに良い環境に置こうとしてくれる恩
⑥洗灌不浄の恩 しっこやウンチで汚れたオムツを厭うことなく洗ってくれる恩
⑦燕苦吐甘の恩 美味しいものは子供に食べさせて不味いものを自分が食べてくれる恩
⑧為造悪業の恩 子を養う為に止むを得ず他人の物を盗んだり悪行を行う恩
⑨遠行憶念の遠 遠くに行った子供のことをいつも心配してくれる恩
⑩究境憐愍の恩 生きている時も死んでからも常に子を守ろうとしてくれる恩

 紙おむつ、人工乳などで、随分と時代は変わりました。子供より親優先の馬鹿親も増えました。
親としてのあり方を教えてくれる父母の10恩であります。
 
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【2008/04/20 10:15】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(8)
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コメント
楽しくブログを拝読させて戴いております。
開く度にどんな内容の記事なのjか大変興味深いものがございますが、多岐に亘る題材と内容には藤井老師の心の寛さと実践力の大きさが感じられ何時も感心しながら読ませて戴いております。

仏説父母恩重経との出会いは4年前の平成16年4月関東管区・大覚会~降誕会に因んで~の講義でした。講義内容に感動し、早速受講後、宗務庁頒布課で購入致しましたが、じっくり読誦する機会を逸しておりました。
両親を亡くしている私にとりまして一番身近な先祖は両親。先祖供養にあたり両親に感謝することが即ち供養に繋がると常々考えておりましたので、今夜ブログを読ませて戴き、改めて経本を手にすることが出来ましたことに深く感謝申し上げます。

「父に慈恩あり、母に悲恩あり・・・父の胤に稟け、形を母の胎に托す。・・・十月を経るの間・・・唯一心に安く産まんことを思う。生産の時至れば・・・骨節のごとく痛み汗膏ともに流れて、その苦しみ堪えがたし。草上に堕つれば・・・。母の懐を寝処となし、母の膝を遊び場となし、母の乳を食物となし、母の情を性命となす。母の乳を飲むこと、一百八十斛となす。父母の恩重きこと、天の極まり無きが如し。二歳・・・三歳・・・稍や成長して・・・。父母、年高けて・・・子を呼べば、目を瞋らして、怒り罵る。・・・五逆罪を造る。・・・老い耄れて世に残るろりは、早く死なんには如かずと。父母これを聞きて・・・。父母の恩、重きこと天の極まり無きが如し。父母に十種の恩徳あり・・・一・・・二・・・三・・・十には究竟憐愍の恩。是くの如きの恩徳、如何にしてか報ずべき・・・偈を以って讃して宣わく。汝等大衆よく聴けよ。・・・父母に供養せよ。・・・十悪・五逆・無間の重罪も、みな消滅して無上道を得んと。」

今回このブログを拝見し、父母の恩を改めて噛み締めております。今夜は素晴らしい御供養を勤めることが出来ました。そして更に、一人でも多くの方に藤井老師のブログに御縁を繋いで戴き、心の開眼のきっかけにして戴ければと痛感致しました。

御法事の在り方も御寺院様、御老師方に因り様々ですが、宗教離れ、檀家制度の崩壊の兆しなどの不振感の多い現在、施主家にとって納得のいく法事を成し、心の在り様に方向性を示す手助けをすることが、今急務となっているのではないでしょうか?
【2008/04/21 02:44】 URL | 妙昌 #Lx03s14c[ 編集]
いつも読んでいただき有難うございます。また、貴重なコメントにも感謝しております。
 和尚として、檀家さんが「して良かった」と感謝していただける法事を勤めることが大切だと思います。
 そうすれば、寺離れはないと思います。
事務的に勤めていれば「何の為に法事をしなければならないのか?」という疑問も起こるでしょうし、檀家と和尚との信頼関係もできませんから寺離れは防げないと思います。
【2008/04/21 11:05】 URL | 藤井 #-[ 編集]
こんにちは、カレエダです。
日頃、カレエダのような庶民が法事に出た時に感じていることを、法事に出た身になって思いやっておられます。法泉寺の和尚さんのような坊さんが多くなればお寺は変わると思います。現在起きつつあることは、寺離れであって宗教離れではないことを、法泉寺の和尚さんは、よくご存じです。

徳川幕藩体制下で作られた、法事にまつわる煩瑣な決め事が、庶民を縛り、困惑させています。お釈迦さまもご存じない、仏教精神に反する決め事は、早くなくさないと宗教心のある人は寺を離れてしまうのではないでしょうか。
お寺はお釈迦さんの本来の教えに帰るべきだと私は思っています。勝友たらんと精進努力しておられる慶峰和尚のご活躍を頼もしく思っております。
【2008/04/21 11:30】 URL | カレエダ #-[ 編集]
検索から探していたブログに漸く出会えました。

印に足跡を残していきす。ペタッ
【2008/05/06 18:38】 URL | ゆいか #-[ 編集]
千田です。ブログ拝見しました。私は法事の時、こちらだけの読経で、参列の方には別に何もお渡しいたしておりませんが、本堂での一般団参などでは、ご本尊のご真言を配布し唱えていただいております。みんなで一心に唱えるのは、とてもいいことですね。理屈がない世界、自身で感じること、目にみえないものがものが一番大事と感じるこのごろです。
またお会いしましょう。合掌
【2009/04/13 22:43】 URL | 千田晃彰 #-[ 編集]
千田さん、コメントありがとうございます。
いろいろと工夫することが必要ですね。「解る」「腑に落ちる」ということが大切だと思います。
【2009/04/14 08:42】 URL | 藤井慶峰(ふじい けいほう) #-[ 編集]
こんばんわ。最近お会いする機会がなく残念です。私もブログを今年から開設しました。
拙い文面ですが、暇があったらご覧ください。
http://yaplog.jp./airadesk/
【2009/05/28 22:37】 URL | 千田晃彰 #-[ 編集]
このコメントは管理者の承認待ちです
【2019/04/08 20:27】 | #[ 編集]
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プロフィール

藤井慶峰(ふじい けいほう)

Author:藤井慶峰(ふじい けいほう)
1954(昭和29)年5月、宇土市生まれ。
 ペットは愛犬レオとルナ(10年前に捨てられていた雑種犬ですが気が利く我が家の番犬です。レオはオスで門番をしています。お参りの人や用があって来た人は笑顔で迎えますが、怪しい人には吠えます。但し、夜は見知らぬ人には吠えますのでご注意。(噛みはしません)八幡大学第2部法律学科卒業、法泉寺26世住職 大本山総持寺布教師 曹洞宗九州管区教化センター布教師 九州四十九院薬師霊場会理事 熊本市人権啓発推進総室講師 保護司 熊本刑務所教誨師 平成義塾熊本前塾長 ハンセン病市民学会宗教部会世話人 人権啓発映画「新あつい壁」製作上映実行委員会事務局世話人  環境ネットワーク熊本会員 宇土の文化を考える市民の会世話人 不知火竜馬会会員 自殺防止ネットワーク風熊本相談所 
 宇土市議会議員(3期目)

(好きな言葉)希望は高く頭は低く   実るほど頭の下がる稲穂かな    身を削り 人に尽くさん すりこぎの その味知れる 人ぞ尊し
(尊敬する人)お釈迦様  マハトマ・ガンジー  横井小楠  坂本竜馬  吉田松陰 田中正造 西郷隆盛 小松帯刀 天璋院篤姫
(著書)美しい地球と未来を子供たちに ㈱ぱんたか刊 1300円 この本を送料・税込み1000円で差し上げます。

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