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命と向き合うということ・・・宗教者たり得るのか?
 5年前の春彼岸、私は長崎市内のお寺の彼岸法要の説教を4日間務めて帰ってきました。
その翌日の朝、訪ねて来られたご夫婦の顔をみるなり事の重大さを瞬時に察知した私は涙が溢れて声にならない声でお2人をお座敷に招き入れました。
 座敷では、ご両親と大粒の涙を拭うことなく号泣しました。
 長崎へ出発する前日、A子さん(26歳)に、私は「何かあったらいつでも携帯に電話してね。気分転換に長崎に来ても良いよ、宿は取ってあげるから・・・」と、電話で伝えていました。
 長崎の私に電話が掛かってくる事はなく、無事に帰ってきた私を待っていたのは取り返しのつかない最悪の結果だったのです。
 高校一年生の時、教師の暴言によって傷つけられたA子さんは、学校に行くことができなくなり、以後10年間引きこもり状態になったのでした。そんなA子さんが私の元を母親と訪れたのが亡くなる3ヵ月ほど前のことでした。26歳にしては幼さを感じた初対面でした。
 その日から、時々ですが、拙寺に来ては書道をしたり話をしたりして生きる気力が湧いて来るのを傍から見ていて感じました。
 しかし、「時期が悪い」と言う事だったのでしょうか、車の免許を取ろうと意欲を出して行った自動車学校では、3月卒業予定の高校生や大学生に教習時間を譲らされ、阻害感を味あわせられたのです。
 また、働く意欲が湧いて面接に行った店や会社では採用されず「私だから阻害される。私だから採用されない」という悲観的な考えが彼女を襲い追い詰めて行ったのだと思います。
 私は、彼女の死をずーっと背負い続けています。
 ひとりの人間を救うことができなかった。「私自身が追い詰めてしまったのかもしれない」という思いを今尚引きずり続けています。
 自殺者が3万2千人を超える異常な社会ですが、その中の僅か1人をも救えない私は「宗教者たり得るのか」自問自答する毎日です。
 少なくとも縁あった人には、決して自ら命を絶って欲しくないと心から念じる毎日です。
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【2008/02/27 23:59】 | いのち | トラックバック(0) | コメント(1)
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コメント
今日の新聞に「栃木県内の自殺者が十年連続で五百人を超え、予防対策や遺族支援が急務となっている。自殺予防を目的に電話相談を受けているが、相談件数も増えており、充分な相談態勢を組めるよう人材を募集している」との記事がでておりました。
文明が発達すればするほど生きにくい世の中になっていくのでしょうね。
色々なところに格差が生じ、力のある人が生き延びられる正に弱肉強食の時代です。
動物の弱肉強食は納得できますが、高等動物の人間が弱肉強食とは!!
嘆かわしさでいっぱいです。

この女性にとって、御老師とお話しているときが唯一癒されていた時間だったのでしょうね。勇気づけられやる気が出たところで社会に出てみると、計算通りに行かず悲観的になってしまい・・・。
良いことも悪いこともずっと続くなどない。世の無常を知れば究極を選ばずに済んだかもしれませんね。
受け入れる社会ももう少し温かければ挫折は免れ、ささやかでも希望が持てたかも知れません。。
生きていくことの難しさを実感致します。
【2008/02/28 23:02】 URL | 妙昌 #Lx03s14c[ 編集]
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藤井慶峰の日々を綴るブログです。法泉寺のHPへ

プロフィール

藤井慶峰(ふじい けいほう)

Author:藤井慶峰(ふじい けいほう)
1954(昭和29)年5月、宇土市生まれ。
 ペットは愛犬レオとルナ(10年前に捨てられていた雑種犬ですが気が利く我が家の番犬です。レオはオスで門番をしています。お参りの人や用があって来た人は笑顔で迎えますが、怪しい人には吠えます。但し、夜は見知らぬ人には吠えますのでご注意。(噛みはしません)八幡大学第2部法律学科卒業、法泉寺26世住職 大本山総持寺布教師 曹洞宗九州管区教化センター布教師 九州四十九院薬師霊場会理事 熊本市人権啓発推進総室講師 保護司 熊本刑務所教誨師 平成義塾熊本前塾長 ハンセン病市民学会宗教部会世話人 人権啓発映画「新あつい壁」製作上映実行委員会事務局世話人  環境ネットワーク熊本会員 宇土の文化を考える市民の会世話人 不知火竜馬会会員 自殺防止ネットワーク風熊本相談所 
 宇土市議会議員(3期目)

(好きな言葉)希望は高く頭は低く   実るほど頭の下がる稲穂かな    身を削り 人に尽くさん すりこぎの その味知れる 人ぞ尊し
(尊敬する人)お釈迦様  マハトマ・ガンジー  横井小楠  坂本竜馬  吉田松陰 田中正造 西郷隆盛 小松帯刀 天璋院篤姫
(著書)美しい地球と未来を子供たちに ㈱ぱんたか刊 1300円 この本を送料・税込み1000円で差し上げます。

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