10,11日の2日間、八代市の総合体育館、ハーモニーホールで県下各地から3千人が参加して開催されました。
私は、部落解放県民共闘会議の構成団体のひとつ、民主党として参加しました。
もっとも、人権問題をライフワークと考えている私にとっては数少ない研修する機会ですからとてもあり難いことです。
この研究集会は、部落差別をはじめとするあらゆる人権問題に取り組むのですが、雇用形態の多様化による格差の拡大、地域間格差の拡大なども影響して人権侵害事件は増加傾向にあります。
人間は、自分の下に人をつくる、置く事によって自らを肯定しようとする意識を持っています。それが、人間ひとりひとりの心の中にある「差別心」なのです。
私達僧侶の中にも「人権問題はもう良いではないか。いつまでやるんだ」という人権学習を否定する人達もいます。そういう人達は、現実世界にあるさまざまな偏見や差別が見えないのか、見ようとしていないのです。勿論、自らの心の中にある「差別心」にも気付かないのです。
社会では、相変わらず様々な人権侵害が行われています。
部落差別も、「部落地名総監」の本やDVDが闇取引されている実態もあります。
法律で禁止されている身元調査も相変わらず行われ、弁護士や司法書士、行政書士が職権で入手した戸籍関係書類を横流ししたりする事件も発生しているそうです。
また、11日は、隣の宇城市でハンセン病啓発映画「新・あつい壁」の上映会がありました。私自身も、この映画の製作上映実行委員会の事務局を務めました。昨夜の上映会で4回目の視聴をしましたが、ハンセン病問題の大きさ、奥深さ、問題点をよく描き出していると再確認しました。
ハンセン病の元患者の方達は故郷へ帰ることを許されませんでした。望郷の思いを抱きながら亡くなって行った多くの人達が療養所の納骨堂に眠っておられます。
被差別地区の人達の中には、故郷の地名を名乗れない深い悲しみを背負っている方もおられるのです。部落差別がある限り、胸を張って故郷の地名を言えないのです。
就職、結婚、交友関係などで様々な形で差別がある限りその実態を変える事は難しいのです。だからこそ、人権確立への運動が必要なのです。
人間は、誰もが何物にも代え難い命をいただいて生まれてきました。誰もが幸福に生きる権利を持っています。誰も、人を不幸に貶める権利は持っておりません。
誰もが、平等に幸福を求める権利を認め合い支えあって生きる社会を築いて行きましょう。
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