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いのちを語る⑯いのちはこうして裁かれた
 Bさんは、拳銃で腕を撃たれて重症を負いましたがまともな手当てを受けることもできないまま取調べは行われました。
裁判の中では「自白した」ことになっていましたが文字の読み書きができないBさんにとっては調書に書かれている意味は全く理解できなかったそうです。文字の読み書きができるようになったのは、後に刑務支所に拘置中に刑務官の指導を受けてからのことでした。
 凶器は最初は「鎌」ということでしたが、後に鑑定人によって「短刀のようなもの」に訂正されると、どこからか見たこともない包丁が持ち出されてそれが凶器とされたのです。
 そして、その凶器である包丁をBさんがどこで手に入れたのか、どこで発見されたのかさえ明らかにされませんでした。また、血液も発見されていないのです。この点について鑑定人は「水で洗えば血は落ちる。どこかの池で洗い流したのだろう」という鑑定とは言い難い「推量」によるいい加減な「鑑定結果」でそれを裁判官が証拠として取り上げたのです。
 さらに、Bさんの着衣からもBさんが拳銃で撃たれて負傷したときの血液以外は他の血液は発見されませんでした。殺されたAさんの遺体には数箇所の刺し傷があったのですから当然、犯人は返り血を浴びているはずなのです。この点も明白な誤りがあります。
鑑定書には、「不潔なのでよく鑑定できなかった」とよく調べれば被害者の血液の付着が確認できただろうと思わせるような文章であったのです。これが、鑑定人の「鑑定書」と言えるのでしょうか?
 「不潔だからよく鑑定しなかった」こんなことが許される道理はありません。ここには、「らい患者だ」という差別と蔑視の意識があからさまに表れています。
 もうひとつ、「殺人犯」にしたてる証拠として採用されたBさんの伯父伯母の証言があります。
 Bさんは、Aさんが殺害された次の日の夜、ひそかに伯父伯母の家を訪ね伯父に「やって来たよ」と言ったそうです。その「やって来た」という言葉は「刑務所から逃げてきた」という意味で言ったのが裁判所は「殺して来たよ」という判断をした。この証言については、後に伯父伯母が「そんなことは言っていない」と申し立てたが聞き入れられませんでした。
 Bさんが逃走中に地区のあちこちで泥棒が入ると言う事件が発生し犯人は逮捕されました。この犯人は「Bさんが犯人と思われるだろうから濡れ衣を着せれば良いと思ってやった」と証言しています。
 Aさん殺しもこの泥棒と同様にBさんに濡れ衣を着せることを考えていたとも考えられるのです。
こうしてみますと、警察も裁判所も周囲の人間も「犯人はBだ。Bを犯人にしよう」という意識が見てとれます。  つづく
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【2007/02/12 16:55】 | ハンセン病 | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

藤井慶峰(ふじい けいほう)

Author:藤井慶峰(ふじい けいほう)
1954(昭和29)年5月、宇土市生まれ。
 ペットは愛犬レオとルナ(10年前に捨てられていた雑種犬ですが気が利く我が家の番犬です。レオはオスで門番をしています。お参りの人や用があって来た人は笑顔で迎えますが、怪しい人には吠えます。但し、夜は見知らぬ人には吠えますのでご注意。(噛みはしません)八幡大学第2部法律学科卒業、法泉寺26世住職 大本山総持寺布教師 曹洞宗九州管区教化センター布教師 九州四十九院薬師霊場会理事 熊本市人権啓発推進総室講師 保護司 熊本刑務所教誨師 平成義塾熊本前塾長 ハンセン病市民学会宗教部会世話人 人権啓発映画「新あつい壁」製作上映実行委員会事務局世話人  環境ネットワーク熊本会員 宇土の文化を考える市民の会世話人 不知火竜馬会会員 自殺防止ネットワーク風熊本相談所 
 宇土市議会議員(3期目)

(好きな言葉)希望は高く頭は低く   実るほど頭の下がる稲穂かな    身を削り 人に尽くさん すりこぎの その味知れる 人ぞ尊し
(尊敬する人)お釈迦様  マハトマ・ガンジー  横井小楠  坂本竜馬  吉田松陰 田中正造 西郷隆盛 小松帯刀 天璋院篤姫
(著書)美しい地球と未来を子供たちに ㈱ぱんたか刊 1300円 この本を送料・税込み1000円で差し上げます。

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